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124時間後の奇跡の救出!倒壊家屋に埋もれた90代女性の救助医療処置を担った医師の想...

 6 months ago
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2024年1月1日、石川県能登地方で発生した震度7の地震。
この地震によって、6千棟以上が倒壊などの家屋の被害を受け、220名もの死傷者が出ています。(出典:内閣府/1月14日現在)

現在も避難所での避難生活を余儀なくされている方は2万人以上です。

震災後1月2日には現場入りをした、医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”」。

ARROWSのプロジェクトリーダー稲葉医師は「2023年5月の地震で支援に行った珠洲市がテレビに映し出され、家が崩れていく様子を見て、とんでもないことになったと思った」と話します。

「とにかく一人でも多く助けよう」そう思った稲葉医師のもとへの要請とは?

2024年1月6日午後5時頃、緊急消防援助隊より本部に「珠洲市にて倒壊した家屋に埋もれている女性あり。生命徴候あり。」との連絡があり、ドクターの出動要請がなされました。

倒壊家屋のような狭く限られた空間で救助隊と連携して処置や救出を行うには、CSM(コンファインド・スペース・メディソン)と呼ばれる、特別な救助医療処置技術が必要で、その場にいたドクターの中でCSMの技術と知識を持ち合わせていたのは、稲葉医師のみ。稲葉医師は、看護師1名とともに出動し、現場に急行しました。

現場には100名を超える消防と警察が集まる騒然とした雰囲気のなか、稲葉医師と看護師は倒壊した家屋のなかに入っていきます。

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災害時における行方不明者は通常、72時間以内に救出できないと助かる確率は急激に落ちるといわれていますが、発見されたのは、被災してから約120時間。
下半身をがれきに挟まれて身動きが取れず、救出にはさらに時間がかかる見込みでした。
絶望的な状況でしたが、女性に稲葉医師が声をかけると、かすかなうめき声が聞こえ、さらに手をさわると軽く握り返したことから、稲葉医師は「いけるかもしれない」と希望を持ったといいます。

こうした状況で疑われるのが、クラッシュシンドロームです。クラッシュシンドロームとは、長時間、瓦礫などに挟まれていた傷病者が何も処置をせずに救助されると、突然容態が悪化し体への急激なショックが生じて死亡してしまうという病状で、救出する前に適切な処置を施す必要があります。

稲葉医師は、見えていた左手と首の左側の2箇所から点滴を施し、さらに必要な薬を投与。クラッシュシンドロームの危険性を抑えるための医療処置を施していきました。

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現場は不安定な倒壊した家屋。滑りやすく、雨が降りしきるなか、さらに余震も発生。
時折退避命令が出る状況で、安全を確保しながら処置できる時間は限られ、患者に寄り添えるのはほんのわずかな時間。

処置後は速やかに指揮所まで脱出し、レスキュー隊から患者の容態を随時確認しながら指示し続けるのと並行して、受け入れ先の準備も進めなければいけない。
時間は慌ただしく過ぎながら一刻の猶予もない、逼迫した状況が続きます。

発見されてからおよそ3時間。

処置をはじめた当初は脱水、低体温症の症状が見られ、体は冷え切ってかなり危険な状態でしたが、十分な点滴や薬を施しながら体をあたため続け、クラッシュシンドロームの危険性を抑えられたことを確認してからレスキュー隊が救出。

女性は待っていた救急車に運び込まれ、病院に搬送されました。

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救急車のなかで女性に付き添った稲葉医師が「お名前は?」と聞くと、女性はしっかりと答えたそうです。
病院で患者を別の医師に引き継ぎ、病院のなかへと搬送される患者を見ながら、稲葉医師は「本当に心から嬉しい気持ちであふれた」と振り返りました。

「いろいろな災害現場を見てきたけれど、ここまで救助と医療の連携がうまくいって救出できたのははじめて。ほかでもあまり聞いたことがない。警察、消防、医療が連携して、いろいろな奇跡が重なった結果で、あとは本当に無事に元気になってくれることを祈るだけです」

この出来事によって、「まだ救える命がある」という思いがあらためてこみ上げてきたといいます。

「一秒でも早く、一人でも多く」被災者へ手を差し伸べ続けるARROWSの活動とは

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震災直後から現場入りしているピースウィンズ・ジャパンの空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”は、現在も各地で様々な支援を届け続けています。

災害現場のプロとしての経験だけではなく、現地で本当に必要としているものを調査・把握した上で支援を届けています。

今回の緊急支援では「陸」「海」「空」全方向からの支援が行われました。

<陸>
発災翌日から未治療死を防ぐために、珠洲市総合病院と連携し、周囲の電気もトイレもない避難所にて診療にあたりました。

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災害救助犬ロジャーによる捜索救助活動の様子(2024年1月3日 石川県珠洲市)

医療支援と並行して、捜索活動も進められました。
現場に入った災害救助犬「ロジャー」はハンドラーとともに倒壊した家屋で捜索活動を行いました。
ロジャーは人の気配に反応し、レスキュー隊が懸命の救助にあたりました。
残念ながら、発見されたはじめの1名は既に息を引き取られていた状態でした。その後も捜索を続け、女性1名を無事に発見・保護し、病院に搬送することができました。

<海>
大きな被害のあった珠洲市内には、いまだ大型トラックによる陸路でのアクセスが難しい状況です。

そこで、空飛ぶ捜索医療団の船舶「豊島丸」は、家屋の倒壊や土砂災害が激しい沿岸部のエリアを中心に、水や食料をはじめ、生活用品を届けました。

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支援物資を積んだ船が飯田港に到着(2024年1月5日 石川県珠洲市)

冷たい雨と雪が降り続き、寒さが一段と厳しくなっている現地でニーズの高い、灯油やカイロなども運びました。
「豊島丸」は、ピースウィンズが所有する前、阪神淡路大震災の被災地支援の救援航海や西日本豪雨災害支援活動などを行った実績がある船です。

<空>

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ヘリコプターで孤立集落に向かう稲葉医師(2024年1月6日 石川県珠洲市)

ヘリコプターを駆使して救急患者の搬送、被害状況が激しい北部沿岸を中心に調査を進め、孤立集落への医療支援も行いました。
地震、津波の影響で道が寸断され、車両が入れない孤立集落、馬緤町(まつなぎ町)へ訪れた時には、高齢者が多く、体調不良や、常備薬の不足といった健康に関する不安を持つ方が多くいらっしゃいました。

そこで、その場で急きょ、段ボールを積み上げて臨時診療所を開設し健康相談にあたることにしました。

診療所を訪れた80代の女性は、「常備薬も少なくなってきて、本当は今日病院に行く予定でしたが行けなくて、どうなるのだろうと心配していました。そこに先生が来ていただけて……本当にほっとしています。ありがとうございます」と笑顔で話してくれました。

30秒で終わる「ARROWS」の活動に関するアンケートに答えて、無料でできる支援に参加しよう!

ここ数日、能登半島には冷たい雨と雪が降り続き、寒さが一段と厳しくなってきました。
地盤の隆起による陥没や地割れ、土砂災害などにより一時期は完全にまひしていた道路状況は一部修復作業が進められていますが、まだまだ通行止めや片側通行に規制されている箇所も多く、孤立している集落もあります。

ピースウィンズ・ジャパンが運営する空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援チームは、ヘリコプター、船舶などもフルに稼働させ、医療と物資の両面から必要な人々に必要な支援を続けています。

このような活動を支えているのは継続的な寄付です。

1日約33円~、1か月1,000円~寄付をはじめることができます。

ピースウィンズ・ジャパンは「認定NPO法人」のため、寄付金控除を受けることが可能になっています。(確定申告をすることで、約40%が戻ってきます)
認定NPO法人とは、財政状況などの厳しい検査をクリアし、都道府県からの認可を受けた団体のことです。現在、数多くあるNPO法人の中でも認定を得られている団体は約2%ほどです。

そして今なら、30秒で終わる3問のアンケートに答えていただくだけで、10円の支援金を”ARROWS”へ届けることができます。

支援にかかる費用は、サポーター企業であるgooddo(※)が負担するため、あなたには一切費用はかからず個人情報なども必要ありません!
※gooddo株式会社は、株式会社セプテーニ・ホールディングス(東京証券取引所 スタンダード市場)のグループ会社

▼「ピースウィンズ・ジャパン”ARROWS”」稲葉医師から頂いたメッセージ
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私たちは目の前の命と向き合い、寄り添いたいと想い活動をしています。

診察後のホッとした顔を見ると、こちらがかえって癒されることもあります。

被災地の復興には長い期間を要します。必要な支援も、その時々で変わっていきます。私たちは決してあきらめず、あらゆる可能性を探り、できる支援を続けていきます。

ぜひアンケートにご協力いただき、無料支援に参加していただけると嬉しいです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

「自分も何かしたいけれど、どう支援したらいいかわからなかった」
「本当に被災者のために寄り添ってくれる人を応援したい」


このように思われた方は、ぜひアンケートに回答して頂けないでしょうか?
あなたのご支援が、被災地の命に、そして笑顔につながります。

※情報提供:認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン


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